2016年9月25日日曜日

止水

田んぼに入る水を止めた
畦きりをした
倒された稲を起こした

予定日より早めたのは、ぬた場にされているのなら、ぬた場に適さない乾地にすれば良いのではないか?と思ったから。
冬期湛水ということで、乾燥させることも思い悩んだが、冬季に水を貯めていること、がこの農法なんだと納得した。
そして、自然農法で大切なのは「書物に書かれたことが絶対ではない。目の前で起きている現象をしっかりみること。絶妙な手を施すこと。」ではないか、と思っているから、
たとえぬた場にされても、下が乾いていれば、稲は土に埋まることなく、済むのではないか。
米粒が濡れず、土に埋もれなければ、助けられる可能性が増すのではないか。
そう思った。

まだ踏まれたばかりであろう稲、それほど土中に埋まっていない稲、原型をとどめている稲、を優先に起こし、根本と先端の二カ所を麻ひもで縛り、できた束を三つ四つ集めそれを縛り、アーチのようにした。

まるで爆撃でもされたような場所をみる度に「なにもここまでしなくても」とつぶやく。

水を止めてはみたのだけど、どこからともなく、土手からしみでてくる。
しかたなし。畦きりをしっかりする。
でも、獣に踏み潰され、畦きりする必要もないほど、畦の途中から水がもれている。

稲刈り10日ほど前の落水を目指したが、無理だった。
獣は容赦なく、こちらの都合など聞いてくれるわけもない。
少しでも今ある稲を守れるよう落水した。

グラファイポール、FRP支柱の10mm、12mmというのは簡単には手に入らないということを学んだ。
ホームセンターにあるのは20mm。そして長さは1800mmどまり。

ネット上のお店が土日休みなので月曜日までどうにもしようがないことがわかった。
草刈り、笹刈り、下準備は終わっている。
それで稲起こしをした。

明日も稲起こしをし、休憩がてらに草刈りをおこなう。
少しでも獣が「境界」を感じ取れるように。

秋が深まり、夕方の風は肌寒かった。

農場全体、何度か草刈りをおこない、明らかに植生が変わった。
大きな草の威力が衰え、背の低い草がおおい茂るようになった。