2014年11月13日木曜日

猿対禿

猿を叩き殺そうと、少し早めに家を出た。
仕事までの30分間で決める。

武器となる良さげな農具を選んでいると、刺しやすそうなものがあったのでそれを手にし、いくつかの石を持って静かに棚田を上がっていった。
しかし、やはり野生動物の方が生き抜く力が強い。
感づいたのだろう、姿はなかった。

面白いことに、絶対に荒らされていると思った自分の稲架は無傷だった。
綺麗に残っていた。
その代わり、上の棚にかけられていた他所の人の稲架が、昨日までは無事だったのに壊滅状態になっていた。

刺しやすそうな農具はピッチフォークと呼ぶらしい。
振り回してわかったのだけど、取手があると扱いにくい。
鋤簾は長過ぎる。
大鎌は元々の道具の使い方に近いので扱いやすかった。
道具、面白いな。

草も木も冬に向けて変化している時に、
のうのうと米を干しているのだから、
野生動物が食べに来るのは当然だろう。
間抜けな人間が用意した食料だ。

来年はしかるべきときにあるべき姿でありたい。


2014年11月12日水曜日


鹿対策の妨獣網が功を奏し聖域となっていた棚に何かが入った。
当初は鹿だと思った。
今朝、出勤前に棚田へ行ってみると、
猿が二匹、田んぼから林へ出て行った。
大きい猿だった。
ついに、猿までもが餌場にしに来た。
時期が時期だけに、猿達にとっては食べ放題のビュッフェなのだろう。
「しかるべき時期」があることを痛感する。
しかし、猿の登場は痛い。
味をしめて来年は初頭から来るようになったらたまったものではない。
叩き殺そうと思っても、車を停止している間に、
あざ笑うかのようにのんびりと林へと戻っていく。
人間は馬鹿にされている。
あいつら人間はサバイバル能力を失った。そう思われているのだろう。
自分で食べ物を作ることも、獲ることも出来なくなり、何が食べれるかの判断すらできなくなっている人間、いや、日本人を嘲笑っている。
あいつら数字でしか判断できない。どこかのだれかが見た目きれいな野菜をピカピカしたビニールに包んで日付が印刷されたものしか食べられない。生命力が劣った生き物だ。と。

明日はこっそりと田んぼへ行き、叩き殺せるといいのだけど。

2014年11月11日火曜日

下の棚の稲刈り

秋の詩
穂の中身がない稲が多い 
羽二重餅
少し鹿に入られているので早めに刈り取る必要がある

キヌヒカリ
なんとも寂しい感じ

ササニシキ
鹿に入られてしまった

奥の角のネットがたるんでいた
おそらくここから鹿が入ってきた
道路から助走して跳ぶことが可能な場所
約15日ぶりに田んぼへ。
その間についに鹿に入られてしまった。
すぐに網を応急処置。
下の棚から跳んで来たのかと思ったが、どうやら奥の角、通路から助走をつけて容易に跳べそうな場所から。
せっかく育ってくれた稲だが、無惨にも食い荒らされ踏みつぶされた。

腹ただしい限りだが、しかるべき時期を逃した自分のせいでもある。
田植えの時期が遅すぎれば、稲は育たず、食料を求 める動物のえさ場となる。
他の場所で稲刈りが終わっていれば、そこから流れても来る。

言葉も人間が勝手に作ったルールも通用しない相手とどう折り合うか。